オールスターの目玉イベントの一つであるダンクコンテストをはじめ、スリーポイントコンテスト、スキルズチャレンジ、そしてシューティングスターズが行われるのがオールスター・サタデーナイトです。
スリーポイントが決まるたびに盛り上がっていくアリーナの雰囲気や、1発のダンクで会場のボルテージが最高潮に達するさまは、現地でしか体験できません。ぜひ会場でその盛り上がりを体験してみてください。
スラムダンクコンテスト
様々なイベントが開催されるオールスターサタデーの中でも、最も華やかなのがスラムダンクコンテスト。ここでは、基本的なルールや歴史をご案内いたします。
スラムダンクコンテストのルール
スラムダンクコンテストは予選と決勝の2ラウンドで競われます。
選手達は各ラウンドで2回のダンクを行い、予選では2回の合計点が最も高い2名が決勝に進出。決勝では2回の合計点が高い選手が優勝となります。
また、5人の審査員の持ち点は6点から10点で、最高得点は50点。予選・決勝それぞれで同点になった場合は、選手の名前が書かれたカードを上げて決勝進出者、優勝者を決定します。
スラムダンクコンテストの歴史
スラムダンクコンテストは、1976年にABA (American Basketball Association)がデンバーで開催したオールスターゲームから始まりました。
初代優勝者はニューヨーク・ネッツのスーパースターだった“Dr.J”ことジュリアス・アービング。その後ABAとNBAが合併し、スラムダンクコンテストはNBAオールスターゲームの人気のイベントになっています。
1988年にシカゴで開催されたスラムダンクコンテストの決勝では、連覇を目指すマイケル・ジョーダンと、1985年以来の2度目の優勝を狙うドミニク・ウィルキンスの一騎打ちとなり、最後にフリースローラインからダンクを決めたジョーダンが初の連覇を達成。この時のスラムダンクコンテストは史上屈指の名勝負として今も語り継がれています。
また、史上最高レベルのダンクの数々を披露し世界に衝撃を与えた2000年のビンス・カーター。175cmながらアイディアあふれるダンクで史上唯一の3連覇を成し遂げたネイト・ロビンソンや、2016年のザック・ラビーンとアーロン・ゴードンの決勝戦など、スラムダンクコテストではこれまでも多くのスターや名勝負が生まれています。
優勝3回:ネイト・ロビンソン(NYK)
優勝2回:ドミニク・ウィルキンス(ATL)、マイケル・ジョーダン(CHI)、ハロルド・マイナー(MIA)、ジェイソン・リチャードソン(GSW)、ザック・ラビーン(MIN)
スラムダンクコンテストの過去5年の勝者
2021年 アンファーニー・シモンズ(トレイルブレイザーズ)
2020年 デリック・ジョーンズ・ジュニア(ヒート)
2019年 ハミドゥ・ディアロ(サンダー)
2018年 ドノバン・ミッチェル(ジャズ)
2017年 グレン・ロビンソン3世(ペイサーズ)
過去のスラムダンクコンテストの様子
スリーポイントコンテスト
幾多の名シューター達が、シュートの腕前を競ってきたスリーポイントコンテスト。ここでは、基本的なルールや歴史をご案内いたします。
スリーポイントコンテストのルール
制限時間70秒のなかでトップ、左右のウィングとコーナーからスリーポイントを撃ち、合計スコアを競うスリーポイントコンテスト。
5箇所のスポットには、それぞれ5つのバスケットボールが入ったラックが置いてあり、5つのボールのうち4つのNBA公式球は1点。5つ目のマルチカラーのボールは通称「マネーボール」と呼ばれ、2点の価値があります。
また、2014年からは5箇所のスポットのうち自分の得意な1箇所にマネーボールのみの「オールマネーボールラック」を設置できるようになり、2020年からはスポンサーの名前を冠した「デュー・ゾーン」として、スリーポイントラインから6フィート後方のトップ左右2箇所に、決めれば3点のグリーンボールがそれぞれ1つずつ配置されるなど、年々新たなルールが追加されています。
競技は予選ラウンドと決勝ラウンドが行われ、予選ラウンドの上位3選手が優勝を決めるチャンピオンラウンドに進出。そこで最も高いスコアを記録した優勝となります。また、予選ラウンドで同点となった場合は30秒のタイブレークを行い、決勝ラウンドで同点となった場合は、決着がつくまで70秒のタイブレークを行います。
スリーポイントコンテストの歴史
スリーポイントコンテストは、1986年のダラスで開催されたオールスターから始まりました。
初代優勝者はボストン・セルティックスのレジェンド、ラリー・バード。そのバードは初開催の1986年から3連覇を達成し、1990年から同じく3連覇を達成したシカゴ・ブルズのクレイグ・ホッジスと共に史上最多の優勝回数を誇っています。
また、クリーブランド・キャバリアーズのマーク・プライス(1993年・1994年)、ユタ・ジャズのジェフ・ホーナセック(1998年・2000年※1999年はロックアウトで中止)、サクラメント・キングスのぺジャ・ストヤコヴィッチ(2002年・2003年)、マイアミ・ヒートのジェイソン・カポノ(2007年・2008年)がそれぞれ連覇を達成。
史上最高のシューターであるゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは惜しくも連覇は達成できなかったものの、史上2位タイの2度のコンテスト制覇(2015年・2021年)を成し遂げています。
優勝3回:ラリー・バード(BOS)、クレイグ・ホッジス(CHI)
優勝2回:マーク・プライス(CLE)、ジェフ・ホーナセック(UTA)、ぺジャ・ストヤコヴィッチ(SAC)、ジェイソン・カポノ(MIA)、ステフィン・カリー(GSW)
スリーポイントコンテストの過去5年の勝者
2021年 ステファン・カリー(ウォリアーズ)
2020年 バディ・ヒールド(キングス)
2019年 ジョー・ハリス(ネッツ)
2018年 デビン・ブッカー(サンズ)
2017年 エリック・ゴードン(ロケッツ)
過去のスリーポイントコンテストの様子
スキルズチャレンジ
シュート、パス、ドリブルなどのスキルを用いて競い合うのがスキルズチャレンジです。ここでは、基本的なルールや歴史をご案内いたします。
スキルズチャレンジのルール
かつては最速タイムを競ったり、1対1の対戦形式で行われていたスキルズチャレンジですが、2022年のオールスターからは3人1組のチームでシュート、パス、ドリブルの能力を試されるチーム競技へと生まれ変わりました。
出場する3チームは、それぞれシュート、パス、リレーという3つの予選ラウンドを行い、得点の高い上位2チームがファイナルラウンドに進出し優勝を争います。
《チーム・シューティング》
1人30秒の持ち時間で、コートに指定されている5つのスポットからシュートを打ち、残りのチームメイト2人がリバウンドを取り3人の合計得点を競います。最も得点の高いチームが100チャレンジポイントを獲得します。
《チーム・パッシング》
各チーム30秒間で、大きさと距離、そして得点の異なる3つの動くターゲットにパスを通します。合計点が最も高いチームが勝者となり100チャレンジポイントを獲得します。
《チーム・リレー》
チームの全選手が参加し時間制限のあるリレーを行います。各プレイヤーは、5つのスキルを試されるコースをクリアしなくてはならず、最も速い合計タイムを出したチームが勝者となり200チャレンジポイントを獲得します。
《ファイナルラウンド》
ファイナルラウンドに進出した上位2チームは、それぞれのチームの全選手が参加しハーフコートショットに挑戦します。シュートを決めきるか時間切れ(1分30秒)になるまでシュートを試み、最速でハーフコートショットを決めたチームがスキルズチャレンジの優勝者となります。
スキルズチャレンジの歴史
スキルズチャレンジは、2003年のオールスターで初めて開催されました。初代優勝者はニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)の名ポイントガードであるジェイソン・キッド。
その後、マイアミ・ヒートのドウェイン・ウェイドがコンテスト史上唯一の連覇を達成するなど、タイムで競われていたスキルズチャレンジでしたが、2015年からは2人同時に行うトーナメント形式へとフォーマットが変更。2016年に優勝したカール=アンソニー・タウンズの優勝からビッグマンがコンテストを制覇するなど、現代バスケを象徴するような新たな流れも生まれした。
2022年からは上記のチーム戦となっており、今後スキルズチャレンジがどのように変わって行くのかも楽しみです。
優勝2回:スティーブ・ナッシュ(PHX)、ドウェイン・ウェイド(MIA)、デイミアン・リラード(POR)
スキルズチャレンジの過去5年の勝者
2021年 ドマンタス・サボニス(ペイサーズ)
2020年 バム・アデバヨ(ヒート)
2019年 ジェイソン・テイタム(セルティックス)
2018年 スペンサー・ディンウィディー(ネッツ)
2017年 クリスタプス・ポルジンギス(ニックス)