自身5年目となるNBAシーズンを、ブルックリン・ネッツで戦っている渡邊雄太選手。現地2022年11月20日現在、リーグトップとなる57.1%のスリーポイントパーセンテージを記録するなど、持ち味のディフェンスはもちろん、アウトサイドシュートでもネッツの勝利に大きく貢献しています。
3割台後半の確率でスリーポイントシュートを決めれば、優れたシューターと言われるNBA。2021-22シーズンのリーグ全体の平均確率が35.4%ですので、まだシーズン序盤の14試合を消化した時点とはいえ、渡邊選手の57.1%というスリーポイントの確率は非常に素晴らしい数字と言ってよいでしょう。
少し気が早い話ではありますが、このまま高確率を維持できれば2023年にソルトレイクシティで開催されるスリーポイントコンテストの日本人初出場にも期待が膨らみます。
ここでは、改めてNBAスリーポイントコンテストの歴史とルールを振り返ってみましょう。
スリーポイントコンテストの歴史
スリーポイントコンテストは、1986年のダラスで開催されたオールスターから始まりました。
初代優勝者はボストン・セルティックスのレジェンド、ラリー・バード。そのバードは初開催の1986年から3連覇を達成し、1990年から同じく3連覇を達成したシカゴ・ブルズのクレイグ・ホッジスと共に史上最多の優勝回数を誇っています。
また、クリーブランド・キャバリアーズのマーク・プライス(1993年・1994年)、ユタ・ジャズのジェフ・ホーナセック(1998年・2000年※1999年はロックアウトで中止)、サクラメント・キングスのぺジャ・ストヤコヴィッチ(2002年・2003年)、マイアミ・ヒートのジェイソン・カポノ(2007年・2008年)がそれぞれ連覇を達成。
史上最高のシューターであるゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーは惜しくも連覇は達成できなかったものの、史上2位タイの2度のコンテスト制覇(2015年・2021年)を成し遂げています。
優勝3回:ラリー・バード(BOS)、クレイグ・ホッジス(CHI)
優勝2回:マーク・プライス(CLE)、ジェフ・ホーナセック(UTA)、ぺジャ・ストヤコヴィッチ(SAC)、ジェイソン・カポノ(MIA)、ステフィン・カリー(GSW)
スリーポイントコンテストのルール
制限時間70秒のなかでトップ、左右のウィングとコーナーからスリーポイントを撃ち、合計スコアを競うスリーポイントコンテスト。
5箇所のスポットには、それぞれ5つのバスケットボールが入ったラックが置いてあり、5つのボールのうち4つのNBA公式球は1点。5つ目のマルチカラーのボールは通称「マネーボール」と呼ばれ、2点の価値があります。
また、2014年からは5箇所のスポットのうち自分の得意な1箇所にマネーボールのみの「オールマネーボールラック」を設置できるようになり、さらに2020年からは、スポンサーの名前を冠した「デュー・ゾーン」として、スリーポイントラインから6フィート後方のトップ左右2箇所に、決めれば3点のグリーンボールがそれぞれ1つずつ配置されるなど、年々新たなルールも追加されています。
競技は予選ラウンドと決勝ラウンドが行われ、予選ラウンドの上位3選手が優勝を決めるチャンピオンラウンドに進出。そこで最も高いスコアを記録した選手が優勝となります。また、予選ラウンドで同点となった場合は30秒のタイブレークを行い、決勝ラウンドで同点となった場合は、決着がつくまで70秒のタイブレークを行います。
幾多の名シューター達が、シュートの腕前を競ってきたスリーポイントコンテスト。
現在、攻守両面でネッツの勝利に大きく貢献している渡邊選手も、このまま自信を持ってスリーポイントを決め続けられれば、日本人初となるスリーポイントコンテスト出場も見えてくるかもしれません。引き続き渡邊選手の活躍を応援しましょう!